• 岩田槙子のMY QUIET,MY STYLE
  • ファッションのプロであるスタイリストがSTYLEMIXERの新たな魅力を引き出す着こなしを提案する連載企画。

    ブランドロゴや流行ではなく、自分の審美眼で服を選ぶことに価値を置く人々が増えている昨今。我々〈STYLEMIXER〉は「承認のためではなく、自分のために静かに服を選ぶ」という現代の女性の価値観に共感し、一つの文化として捉え“MY QUIET”と名付けました。

    そんな“MY QUIET”なスタイルを持っている方々をゲストにお招きし、ご自身のライフスタイルとファッション哲学を深掘りする。それがこの「MY QUIET,MY STYLE」。

    今回のゲストは、ファッション誌のほか、広告やセレブレティのスタイリングまで幅広く活躍中のスタイリスト・岩田槙子さん。ハイブランドからカジュアルまで、多様なジャンルをよく知る彼女は、どう審美眼を磨いてきたのか。まずはそこからお訊きしました。
  • スタイリスト 岩田槙子さん
    ファッション誌のほかさまざまな広告やカタログ、セレブリティのスタイリングなど、幅広く活躍するスタイリスト。カジュアルさと上品さとの絶妙なMIX具合にファンが多い。日本人のバランス感にあったコーディネイトに定評があり、リラックスした中にも大人のセンスを加えた着こなしにファンが多い。
    https://www.instagram.com/ma_ki_ko_i_wa_ta/
  • Chapter 0…審美眼を磨くためには
  • ー“ブランドロゴに囚われず、承認のためではない、自分の審美眼で服を選ぶ”。それがMY QUIET, MY STYLE。岩田さんは審美眼を磨く上で、これまでしてきたことはありますか?
  • 岩田 スタイリストという職業における審美眼でいえば、スタイリングを沢山組んだことで磨かれたんだと思います。例えば自分のワードローブに10着のアイテムがあったとして、それでコーディネートが何パターン組めるか。それも漫然とアイテム同士を組み合わせるのではなく、どう組み合わせたら他者とは違ったアプローチで満足のいくスタイリングになるか。その点を意識しつつ、公私ともにとにかくやり込みました。
  • ーでは、もっと根幹的なモノ自体に対しての審美眼でいえば?
  • 岩田 “イイな”という感覚的なところで選ぶ場合がほとんどですが、それと同時にカルチャーやこだわりといった文脈や背景があるモノに惹かれるというのはあります。要は“そのモノの本質的な部分を知ること”といいますか。これは素敵だなと思った方が仰っていた言葉に影響を受けた部分なのですが、審美眼を磨く上ですごく重要だなって。
  • Chapter 1…スタイルの原点
  • ーそんな岩田さんがスタイリストになったきっかけを教えてください。
  • 岩田 大学時代に仲の良い友人の1人がファッション誌でモデルをやっていて。その子が「大学を卒業したらスタイリストをやってみたら?」と、スタイリストの師匠を紹介してくれたのがきっかけです。当時はただ古着やファッションが好きっていうくらいだったんですが、私の服選びや合わせ方を気に入ってくれていたみたいで。私もちょうど「就職…どうしようかなぁ」と考えていたタイミングだったし、ちょっと面白そうだなって。
  • ーアシスタント時代はどうでしたか?
  • 岩田 師匠がすごくナイスな方でとにかく楽しかったです。で、それと同時にリユースショップでも1年間だけアルバイトをし、そこで国内外のさまざまなブランドの服に触れながら、ファッションを勉強しました。
  • ーファッションにおいて影響を受けた人物を教えてください。
  • 岩田 2人いて、1人はローリン・ヒル。今の彼女の雰囲気もイイけれど、フージーズ時代のデニムスタイルなんかは上下ビッグサイズなメンズアイテムを着ているのに、インナーはちょっとヌーディーでレディだったりして。そのバランス感やサイズ感も全部素敵だし、すごく影響を受けてとにかく真似しました。今も雑誌でカジュアルがテーマの企画を担当する際に、脳裏に浮かぶ彼女の着こなしを参考にすることがあります。
  • ーもう1人は?
  • 岩田 もう1人は父方の祖母です。とても品があって、祖父と結婚して東京から田舎に移り住んでなお「畑作業時にも絶対にスカートを履き続ける」みたいにこだわりを貫く姿勢もすごく素敵でしたし、私がネイルを変えたら「可愛いね」って言ってくれたりとか、ちょっとした変化に絶対に気付いてくれる。そんなオシャレでチャーミングなおばあちゃんでした。
  • ー自分のセンスを認めてくれる相手がいることが“気付きやセンスアップにも繋がる”んですね。
  • 岩田 そうですね。やっぱり好きなモノを身に付けていると自分自身のテンションも上がるし、さらにそれを見て「素敵だね」と声をかけてもらえると1日気分がいいじゃないですか。そういう経験も審美眼やセンスを養う上で非常に大事だなと思っています。そこはお仕事で色々な方々にスタイリングを組む際にも、ものすごく意識している部分。「格好いいけれど難しそうだな」ではなく「自分にもできそうだし素敵だな」って思ってもらえたら嬉しいですね。
  • ーファッションにおいて、これだけは譲れないことってありますか?
  • 岩田 やはりバランス感覚でしょうか。自分の体型やヘアスタイルには何が1番似合うかを知った上で、“見せたい部分を見せて、隠したい部分は隠す”。たとえばお気に入りの靴を手に入れると、ついメインアイテムとして目立たせたくなるもの。でも、そこをあえてボトムスの裾を被せて隠しちゃうんです。そうすることでチラリと覗いた際により魅力的に映える。この“どう見えるか”という部分に関してはかなり計算していますし、こだわっています。
  • ー今もなお、ファッションにおける新たな学びってありますか?
  • 岩田 黒柳徹子さんが何かのインタビュー記事で「常に感覚を若く、新しいものを見ていたいから、109を訪れる」と話されていたのが、すごく刺さって。私も先日たまたま109に娘と行った際にすごく楽しくって、結構買っちゃいました。ショップスタッフさんに「素敵なアームウォーマーですね」と話しかけたら「これ、レッグウォーマーなんです」と返されたりもしつつ(笑)。色々な世代が集う場所にアンテナを張ってみると、また新たな発見があるんだなと学びました。
  • Chapter 2…私のワードローブ哲学
  • ー岩田さんの作るスタイリングは、カジュアルさとその上品さのMIX加減が絶妙です。ご自身のスタイリング哲学を教えてください。
  • 岩田 たしかに品の良さはすごく意識しています。大人がカジュアルにのみ振ってしまうと、どうしても年相応の着こなしが難しい部分も出てきたりするため、どの方向から見てもちょっと品がある。そういった部分は大事だと思っています。
  • ーお仕事柄、ワードローブの中身も増え続けていると思います。その中で“残るモノとそうでないモノ”の違いってなんでしょうか?
  • 岩田 当たり前ではありますが「自分のワードローブに合わせやすい」というのは大事。人と対面した際にパッと視線がいくのって顔周りとトップスだと思いますし、私自身もちょっと遊び心を取り入れたいっていう時はトップスで遊ぶことが多いけれど、それを支えるボトムスも重要で。お気に入りのシルエットも何となく決まっているので、ワードローブを入れ替える際にもボトムスの方が残っているかもしれません。
  • ーハイブランドのアイテムとそうでないカジュアルなアイテムを組み合わせる際、どんな点を注意するべきでしょうか?
  • 岩田 ハイブランドのアイテムってデザインや素材の質感などの存在感が強いモノも多いので、そこにぶつけるのではなく受け止めてくれるシンプルなアイテムで中和させるとか。そうやってお互いの良い部分を引き立てるデザインを取り入れて馴染ませてあげると、全体がバランス良く仕上がります。あとはカラーチャートを参考に相性の良い色同士で合わせたり、片方の色を拾ってもう片方に取り入れるのも。この辺りのテクニックは手軽に実践できるので、ぜひ試してみてください。
  • ー“ぶつけるのではなく受け止める”と“色使いで馴染ませる”のがコツですね。サイジングに関しては?
  • 岩田 自分のジャストからワンサイズアップ&ダウンにトライすると、着こなしの幅も広がるかと。ちょっとお値段が張るハイブランドのアイテムは失敗したくない一心でジャストサイズを選びがち。私もそうです(笑)。そこで合わせるカジュアルなアイテムのサイズ感をちょっと変えることで、あえての違和感を作り出す。これによってハイブランドとカジュアルの馴染みが良くなりますし、自分らしさを演出する余白や面白みにもなると思います。〈STYLEMIXER〉のアイテムがまさにそう。かなり活躍してくれています。
  • ー〈STYLEMIXER〉は以前からご存知でしたか?
  • 岩田 もちろん! ブランド立ち上げ時からのファンで、最初にリースに行った際にラックに並んでいる光景が、まるで高級ブティックのようで感動したのを覚えています。「え、可愛い!! 沢山リースしてコーディネートに使いたい」と思いましたし、「このブランドは絶対に流行る」と直感的に感じました。
  • ―実際にスタイリングで使ってみた際の、読者や周囲からの反応も気になります。
  • 岩田 雑誌の企画でも幾度となく使わせてもらいましたが、サイズ感もいいし、シワになりづらい素材を使った機能的なアイテムもあるし、沢山の方々から「スタイリングもアイテムも可愛い」という声を沢山いただき非常に好評でした。そして価格を聞いて、みんなビックリするっていう(笑)。
  • ―このクオリティから考えると、非常にリーズブナルだと思います。
  • 岩田 すごく高見えするというか、どのアイテムもボリューム感や張り感があって、中でもフェイクレザーのパンツは本当に気に入ってて、色違いで2、3本持っています。レザーとしか思えないような質感でカラバリも色々あって。コスパにも優れているから複数買いできるし、さらに裾が切りっぱなしのデザインなので、身長があまり高くない私でも自分に合ったサイズ感で着ることができる。とにかくすべての点において行き届いてる感じがするんです。トレンドを押さえつつモノとして良くって、さらに「こんなディテールが!?」というサプライズもある。
  • ー要は“プラスの価値がある”と。
  • 岩田 トレンドのシアー素材のシャツだけど、ボタンのあしらいでシルエットを変えたり、その時々のテンションに合わせてニュアンスが付けられたりなんて、まさにそう。その時々のテンションで楽しめる。そんなお値段以上の+αがあるって、すごく嬉しいじゃないですか。
  • Chapter3…STYLEMIXERを選ぶ理由
  • ー今回は、〈STYLEMIXER〉のアイテムと私物アイテムを組み合わせて、3体のMIXコーデを組んでいただきました。
  • 岩田 1体目は、チョコレートブラウンの〈LEMAIRE〉のデニムセットアップのインナーに、シアーな素材感の〈STYLEMIXER〉のデザインシャツを挿し込んでみました。シアー素材のシャツって色々なブランドから出ていますが、これは本当にデザインにこだわっていますね。普通に着るとシンプルなんですが、ウエスト内側にボタンでクロスして留めたりもできる。そのボタンの留め方次第でシルエットや表情が変わるっていうのがポイント。セットアップのインナーに差し込んでも主張しすぎず、洗練された雰囲気作りにひと役買います。
  • ー他のディテールもユニークですよね。
  • 岩田 そうなんですよ、特にカフス。ボタンが袖先ではなく手首のあたりに2つあしらわれていて、自分の手首の幅やレイヤリングに合わせて使い分けられるっていうのも気が利いています。上着の袖口からちょっと出して折り曲げるのもすごく可愛いなって思いました。
  • ーたしかにセットアップのインナーによくお似合いです。
  • 岩田 デニムだけだと、やや重くなりがちなので、どこかに抜け感を作ってあげるのがポイントです。ほどよく透け感のあるシアー素材も有効ですし、さり気なく肌見せできるサンダルもオススメ。今回は、足元にポインテッドトゥで後ろ姿がちょっとヌーディーなサンダルを、トップスに背中のデザインが可愛いキャミソールを合わせることでバランスを取ってみました。
  • ー2つ目のスタイリングは、一転してスカートルック。
  • 岩田 〈STYLEMIXER〉のタイトスカートに〈Jil Sander〉の白いサテンのボウタイブラウスを合わせつつ、その上に透け感のある〈Dries Van Noten〉のキャミドレスをレイヤードしました。タイトスカートの場合、自分の身長的にもロング丈の方がバランスも取りやすいですし、同じく着丈の長いトップスとのレイヤードもしやすい。デザイン的には表裏を逆にしたようなインサイド・アウトのデザインに、トキメキを感じました
  • ―使いやすそうですよね。
  • 岩田 生地にシャリ感があってボディラインを拾いづらく、なのに背面のスリットのおかげで足捌きが良くて歩きやすい。シルエット自体はタイトですが窮屈さを感じさせず、これから夏シーズンに向けて重宝しそう。
  • ー3つ目は、再びパンツルックです。
  • 岩田 軸となるのが、ウエストにタックが入った〈STYLEMIXER〉のワイドパンツで、丸みを帯びたコクーンシルエットが本当に素敵。上はタイトで下をちょっとワイドっていうバランスが好きなんですが、そこで気になるのがお腹周りの見え方。それだってタックが入ることでちょっとしたスタイルアップ効果も狙える。そういった細かい部分にもこだわっているなって。
  • ―選んだカラーはブラックでした。
  • 岩田 この他にもカラーバリエーションが揃っていて、カーキやオフホワイトも可愛いかったですね。値段的にもお手頃で、つい何着も買いたくなっちゃう。そこに合わせたのがサマーニットのカーディガンで、足元は〈Maison Margiela〉のタビシューズ。パンツのディテールがすごく気に入っているので、それを引き立たせるようシンプルなデザインを選んでいます。そこにウエストラインを引き締めるベルトや頭に巻いたスカーフなどでアクセントをプラス。
  • ―今回組んでいただいた3体のスタイリングに共通するテーマは?
  • 岩田 春夏にあえてのアースカラーというのは意識しました。あくまで派手な色味ではないけれど、どこかに目を惹く部分があるっていう。また、シーズンを問わず着ることができるシーズンレスという点もポイントです
  • ―どのスタイリングも素敵です。改めて〈STYLEMIXER〉を選ぶ理由を一言で表すとしたら?
  • 岩田 一言で表すなら、“品があって、なのに着まわしやすい”からでしょうか。ワンピースなんかは特に顕著で、シルエット構築の巧みさは特長かもしれません。高見えするので、カジュアルなアイテムでも大人が着やすい。そこがポイントだと思います。価格帯の割にハイブランドのアイテムと合わせても見劣りしないし、むしろ勝るとも劣らないくらい気が利いていて、「着てみたい」と思わせてくれるデザインが魅力。私もそこに惚れてファンになったので。
  • ―高見えして、着回しもできる。それって最高じゃないですか。
  • 岩田 これだけベタ褒めだと嘘っぽく思われるかもですが、本当にそうなんですって(笑)。